石岡瑛子
JAGDAとヒロシマはヒロシマアピールズというポスター制作を1983年から初めています。
毎年一人の名だたるデザイナーにヒロシマの悲劇を忘れない、という願いをこめてポスターを作っていただくわけです。
途中で中断したりもしていますがそれでも60周年を迎えています。
私が一番心を奪われたのは確か本来8作目に当たるはずなのに
なかったことのように扱われている 1990年に制作された石岡瑛子の作品「X像の沈黙」。
公式のHPでも載っていません。
巨大なミッキーマウスが目をつぶってるグラフィックだからです。
ものすごい皮肉です。そして大胆で勇気がある。
第一作目の亀倉雄策の燃え落ちる蝶も美しく悲しく、ヒロシマの悲劇を語るのにふさわしいと思います。
しかし石岡瑛子の作品はデザインの美しさを越える、作者の姿勢の強さに感動しました。
本当に平和を、悲しみを忘れないためには
働きかけること、疑問にもつこと、忘れないこと、強くあること。
そういうものがこの一枚にこめられている。
ちなみに彼女は資生堂のデザイナーを経て独立、それから拠点を海外にうつし、
広告に限らず、舞台美術、衣装デザインなどトータルなデザインなどもしていて
あの巨匠アーヴィング・ペンを起用してマイルス・デイビスのジャケットをデザインしたり、
最近の仕事ではビョークのPVの制作などもしています。
女性とは思えない、 でも女性こその強さを持っているデザイナー。
女の人のデザイナーはどうしても目先のきもちよさとぬるいナルシズムに逃げてしまう人が多いから
もうそろそろ石岡瑛子を感じさせるような(決して模倣という意味じゃなくて)
気高い女性デザイナーが出てきてもいいんじゃないかなとおもう。